「レースはまだ閉ざされた遊びだった」
背を追った星の言葉を思い出す。飛行の技術を磨くというのは、憧れる星の子はおれどskyの遊び方の中では物珍しいことだったようだ。昔の空を教えてくれたその星の背は、今はもうない。
眼前では観衆が、地鳴りと紛うほどの歓声をあげている。観衆の端は朧気に見える程度だ。いよいよレースも最終戦。今やskyでのレースは羨望の舞台となった。
先刻用を足したばかりなのに、既に催している。溢れる手汗が、レースに支障を来すのではないかと不安にさせる。乾く喉を少しでも潤すために唾液を胃に押し届けながら、どうして余計なところに水分が行ってしまうのかと体の不思議さを推考してみる。
レースの開始を告げる感情表現がなされた。更に上がる会場の熱気が、さらに掌を潤す。何千回、何万回と練習をしてきた。ときに別れも経験した。それでも飛び続けた。そして今、ついに舞台に立っている。
傍らには、追い続けた星の肩がある。
余談はさておき、本稿にて加筆修正を行いながら、技術向上についての記事を書き進めようと思う。