主にskyエアレースに必要な飛行技術向上に必要な要素を列挙する。この記事を読み終えたとき、読者の貴方は飛行技術向上の道を駆け足で進み始めるに違いない。
尚、一般的でないと考える語彙については太字にしてあるため、必要に応じて調べていただきたい。
自己顕示欲でなく飽くまで言論の信憑性を高めるための情報としてだが、筆者は実生活において文武問わず異なる競技でブロック入賞、全国入賞、アマチュアながらプロ上位1割入り等、最上位層になれずともぼちぼちの成績を出してきた。飛行技術についても何らかのタイムなどで定量化した場合、世界でも上層にいると推察している。練習の方向性については学習の転移を活用している。これらの経緯から一定の評価ができるだろうと推察し、記事を書く。
早速だが要素を挙げる。
①ご飯を食べる
②よく寝る
③運動をする
④練習のボリュームを稼ぐ
⑤基本を大切に簡単なことから
①〜③はskyだけでなく、実生活で必要な要素である。突拍子がないため、不要な場合は④まで飛ばしていただいても構わない。しかしながらコンディショニングの観点から必要性があると考え、記載する。
①ご飯を食べる
活動にはエネルギーが不可欠だ。エネルギーは食事で摂取する他ないからご飯を食べようという寸法だ。基礎代謝の25%は脳と言われている。当然skyでの操作では脳の機能を使うし、エネルギーが不足していれば飛べるものも飛べない。それに、生活では体も動かす。体の栄養が不足している状態では当然倦怠感が出よう。したがって、ご飯を食べましょう。マクロ栄養素の意識だけでもコンディションは向上する。
②よく寝る
ベストタイムが出るのはいつか?もちろん練習中である。では練習の成果が定着するのはいつか?これは睡眠中である。飛行の操作が手続き記憶に該当するなら、睡眠の重要性にも頷ける。
③運動をする
要因は様々だが、運動によって脳機能が鍛えられる。スポーツをしろとかジムに行けとは言わないが、日常生活の何らかの移動を徒歩に置き換えるとか階段を使うとか、そういった小さなことから始めてみると良いだろう。
④練習のボリュームを稼ぐ
余談が続いたが、ここからは実際の練習について深堀りする。
式は「時間×質=ボリューム」としておく。可能な限りの時間をかけて高品質な練習をしよう、ということだ。捻出できる時間には限界があるが、質はかなり上げられるだろう。質は伸びしろの大きい変数である。飛行の練習の質を上げるために必要なことは何か、以下で考える。
1.知識を身に付ける
具体的な知識については拙稿をご覧いただきたい。例えば「スライド飛行時には上昇力が上がり上向き飛行の速度も上がるが、下向き飛行時にはむしろ速度が下がる」ということを理解しているかは練習に影響する。知識があれば飛び方は変化する、ともすれば知識は身に付ける他ないだろう。
2.目標を設定する
目標設定はバックキャスティングを行うと良い。やり方は「長期的な目標の設定後に逆算して、短期的なものを複数設定する」ことだ。特定のレースが開催されない場合、長期的な目標は数か月先に、短期的な目標は数週間や一か月を推奨する。仮にskyエアレースNo.4のベストタイムが44.5秒の人が長期的な目標で「3か月後に36.0秒を出す」と設定したとしよう。短期的な目標では「2か月後に37.5秒」「1か月後に40.0秒」といった具合になるだろう。目標の傾斜の付け方は難しいが、最初はタイムが伸びやすく、練度が上がれば上がりづらいと考えておこう。一人で頑張るか誰かに手助けをもらえば可能なストレッチ経験を積める難易度に設定するのが良いだろう。
普段「目的地到着→出発→身支度→起床」といった考え方はしないだろうか。遅刻しないように何時に出なくてはならなくて、準備には何分かかって、だから何時に起きなくてはならない。生活においてもかなりの頻度でしている考え方と思えば、存外簡単には思えないだろうか。
3.実際に飛ぶ
飛ぶ。そして動画を残す。身に付けた知識を元にひたすら飛ぶしかない。
4.休む
そして練習の合間に休む。集中力が続く時間は15分~90分と諸説あるが、疲れを感じるか一定の時間が経過した機に体を休めて疲労管理をし、練習の集中力がなるべく高く続くようにしたい。休みは非効率だの怠惰だのとの言説が未だにあるように思うが、休みなくして上達無し。
4.フィードバックをする(貰う)
実際に飛んだ動画を見返して内省することも重要だ。自分で動画を見たり人に見てもらったり。自分より速い人の動画と比較するのも良い。気付きがあれば、次の飛行にも好影響だ。速くなりたいというプライドのために、人に頭を下げたくないというプライドを捨てる姿勢は持ちたい。必要なプライドと不必要なプライドがあると思っている。
5.継続する
継続は力なりというのも月並みだが、やはり間違いない。なにもずっと練習しろというわけではない。ぼんやり飛び方を考えながらぼんやりキャンマラをするだけで良いのである。しかしながらぼんやりとでも「考えている」ということはやはり肝要だ。
書字で例えれば、ただ書いているだけで上達するのなら恐らく美文字の人で溢れる世の中だろう。他方で実情は達筆な人は多くない。何も考えずに書いているだけでは達筆にはならない。とはいえ書写をしろというわけでもない。余裕があるからメモを取るとき少し丁寧に書いてみる、とすることで少しずつ達筆になることは想像できよう。
⑤基本を大切に簡単なことから
飛行技術向上においての基本的で簡単と思うことを挙げる。風壁加速のような難しいことは後回しに、できることから始めることを薦める。
1.スライド飛行をする
スライド状態から飛ぼう。先述の通り、スライド状態から飛ぶと上昇力と上向き飛行時の速度が上がる。他方で下向き飛行の時は速度が下がるため注意が必要だ。
2.なるべくたくさん羽ばたく
水平以上の角度で飛ぶ場合、なるべく多く羽ばたくと良い。羽ばたきは加速の最重要ともいえる要因だ。
3.移動操作はなるべく指を離さない
星の子が移動する角度を変更する移動操作は、減速の要因になる。旋回時にはなるべく指を離さない意識を持ちたい。
4.タイムロスには速度と距離の二つがある
タイムが伸びない理由には減速しているか遠回りしているかの二つがある。どちらの理由でタイムロスが起きているかを見返し内省すると良いだろう。
ここまで飛行技術向上に必要と考える要素を書いてきた。駄文ではあるが本稿を読了し実際に飛ぶことでタイムが更新され、より楽しく飛べるようになったと感じられた人が多いことを祈る。
最後に、読者の皆さんからの評判が良ければ稿を改めて論じることを詫びながら、別稿に譲るとする。