光る星の子インタビュー #08 ✦れいさん
『Skyとの出会いが “人生の転換点” に』
✦Skyをはじめたきっかけを聞かせてください
Skyとの出会いは、出張の時にふと普段は見ないApp Storeを覗いたのがきっかけです。
『空を飛べるゲーム』という感じで広告が載っていて。ちょうど時間も少し空いているしやってみるかと起動したら、孤島の美しさと飛行の操作感で一気に引き込まれました。
子供の頃から空を飛ぶことに強い憧れがあって、まさにそれが叶った感じです。感激でした。
実はゲーム自体、10年以上ブランクがあったんですが…見事にハマり今に至ります。
ほぼ7年、人生で一番長くやっているゲームかもしれないです。
✦楽器や楽譜との初めての出会いは、どんな感じでしたか?
楽器の存在は、ホームなどで演奏する星の子さんがちらほらいたので当初から知っていました。音が綺麗だな〜とぼんやり思っていて。
しばらくして自分も楽器と楽譜を取得したものの、それは「初心者殺し」の二つ名を持つ1番「Bounding About」。しかも手持ちの楽器はとても難しいメロディパートの、ハープでした。演奏のチュートリアルは公式・非公式どちらも皆無です。
何が起きたかは、察してください笑
すぐに投げ出してしまい、しばらく楽器や楽譜はスルーしていました。
本格的な演奏との出会いは、Skyを1回クリアした後です(エンディングでジェノバさんの優しさに触れられた気がして、号泣したのを覚えています)
エンドロールの曲が好きすぎて、それを聴くためにYouTubeを彷徨い、たまたまFox Bandさんの合奏動画を見つけました。そこで7番「Wide Stance」を聞き、美しすぎる…!と衝撃を受けまして。

✧Fox Band『Music Sheet 7』(→YouTube)
その後実装された再訪システムで、2番目に来た精霊さんが7番を持っていたんです。
しばらくは大興奮で弾いていましたが、どうもあまり面白くない。Fox Bandさんみたいな音じゃない。なぜだ。あ、合奏じゃないからか!と。
それで合奏の重要性に目覚めた感じです。でも当時一緒に演奏出来るフレンドは皆無でした。
✦では合奏メンバーはどのように…?
当時YouTubeでお世話になっていた方の影響でTwitter(現X)を始めたところ、タイムライン上には実に様々な集まりがあって。そこで合奏関係を探しましたが、残念ながら日本語圏にはひとつもありませんでした。
これはもう、自分でやるしかないのでは…?と、思い切って募集をかけてみました。
✦それが『アンサンブルの会』の始まりですね
第1回目のサムネ、実はLINEの写真編集機能で作ったんです。本当に何にも知らない状態でした。

画像はれいさん提供。「真ん中の可憐なおさげがわし。当時はまだ、愛用ひげが存在していなくて笑」
初回に来てくれたのが、その後年単位で一緒に活動する事になるkurukumaさん(@kurukumachan)でした。『アンサンブルの会』の月次開催は彼女の提案で、まさに今の形にした立役者です。
だぼださん(@nunu8631)も初期からの参加者で、楽しんで下さっているのが伝わってきて…。お二人ともわしからお声がけさせていただき、実行委員会ができました。
お二人をはじめ良い仲間と巡り会えたことが、『アンサンブルの会』を続けられた理由だと思っています。

✧Kurukumaさんによる初回参加時の動画ポストはこちら(X)
最初こそわし自身が合奏するための企画でしたが、回を重ねるうちに星の子さんのための「合奏の機会を作る」ことが目的になっていきました。その目的は今、十分に達成されたと思っています。とてもとても、嬉しいことです。
今は諸々の事情で実行委員会のみんなに会を託す形になりましたが、きっと彼らが独自の視点を加えて、より楽しく変化していくのだろうと思うと、とても楽しみです。
本当に実行委員会の皆様、実行委員会だった皆様の一人一人に心から感謝です。

2026年2月現在の合奏練習会スケジュール表。今や毎日開催の大所帯に。
Skyアンサンブルの会実行委員会【非公式】(@SkyEnsemble)より
✦このあと更に『音楽祭』が始まります…!
ある時だぼださんが「いろんな人の自由演奏を聴ける会があったらいいな」というようなことを言って。じゃあ、と企画したのが2020年『秋の夜長の音楽祭』でした。

✧秋の夜長の音楽祭2020 YouTube配信/第一部 (→YouTube)
だぼださんが総監督として演奏や演出、スタッフ、アートビジュアル、セトリ等を担当。わしがサポート的な立ち位置で募集や著作権周り、演奏のメカニカルな部分(キーとか)、規約、配信、広報系を担当しました。告知などはアンサンブルの会や、毎朝の『合奏処』の経験を応用しました。
最終的に応募者全員採用・二部構成・計3時間強のすごいボリュームでした。だぼださんの疲労が途中で極限に達し、わしがピンチヒッターで司会をしたりと色々ありましたが、とても楽しかったです。
同年12月には『クリスマス音楽祭』、翌年からは『サマフェス』『紅白』の年間2本立てに。その都度改善を重ねて、今のスタイルになりました。

✦ライブ配信も当時画期的だったのではと思います
やるからには一人でも多くの方に奏者様の演奏を届けたいと思い、配信を選択しました。
当時はフェスサーバーどころかシェアメモリーもなくこんな形になりましたが、もし今から新しく企画するなら、違った形になるかもしれないですね。ライブプレゼンス機能にも大いに期待しています。
✦れいさんと言えば「楽譜解説動画」という方も多いと思います。YouTubeを始めたきっかけは?
一旦質問から逸れますが…Sky楽譜の魅力のひとつは、とても美しい公式伴奏(カラオケ)だと思っています。ソロでは限界があるような表現でも、伴奏の力で広がりを持った音として楽しむことができる。ゲームのこういった機能は初めてで感銘を受けました。楽器の音自体の美しさもとても良くて。
でも最初に投げ出した経験や、「演奏」の持つ独特な敷居の高さもよくわかるので、このままだとほとんどの人が楽譜の良さに気づかない気がして、危機感を感じました。
「手軽に美しい音を奏でることができる体験を、みんなにしてほしい」という思いから、解説動画を作りはじめました。

✦動画編集は以前からなさっていたのでしょうか?
実は動画はSkyがきっかけで、楽譜解説や音楽祭で一念奮起したのが最初でした。そこからの独学なので歴は浅くて。今もし学生だったら、迷わず業界狙いで就活したと思います。
現在、細々ではありますがフリーランスで動画編集をしております。音楽以外でも、分野にとらわれずお手伝いしたいです。
すでに動画や映像の世界におられる偉大な方達を前に、自分をアリンコのように感じることも多いです。それでも人様のお役に立てたなら、それ自体が奇跡のようで。だからこそ、目標を高く保ちつつ、同時にご依頼いただくクライアント様に求められる以上の貢献ができるよう、全力でお作りしたいと思っています。
✧れいさんの映像制作アカウントはこちら
【RaysWorks レイズワークス(X@raysworksvideo)】
✦リアルでの演奏歴は?様々な楽器を使いこなされる印象がありますが…
演奏は子供の頃からヤマハのエレクトーンと、高校の合唱部顧問がとても熱心な方で、そこから学校で少しだけ学びました。音楽は好きでしたが表現の世界は厳しく、結局仕事にすることはできなかったんです。一旦は完全に離れ、聴くこともやめていました。
改めてがっつり勉強することになったのは、Skyリアル楽団でスコアを書くとなった時です。奏者様に根掘り葉掘り聞きなんとか形になりました。和楽器も和合奏部の皆様に1から教えていただき、今に至ります。
形は違えど、こうして再び音を扱わせていただけていることに、正直未だに驚いています。

リアル楽団(雨林の曲の時)募集ポスト
✧箏・篠笛・フルートで奏でる『Waltzing in the Rain』Sky和合奏部(YouTube)
表現自体、Skyがなかったら(再び)立ち入らなかった分野だと思っていて…Skyとの出会いは、本当に人生の転換点でした。
今も現在進行形で学んでいる感じです。はちゃめちゃに楽しいです。
✦2024年にはSky音楽担当のヴィンセントさん(Vincent Diamante氏)に突撃インタビューをされましたね。あの時れいさんを駆り立てたのは何だったのでしょうか
きっかけは、ヴィンセントさんが東京インディーゲームサミットに合わせて来日するとツイートされていたことでした。「だれか一緒にどう?」とフレンドリーにポストされていて。
実は以前から何度かDMをさせていただいたこともあり、勢いで「よかったら少しお会いできませんか?」とメッセージを送ったところ、ご快諾いただきました。

お訊ねの「駆り立てたもの」ですが、とにかくお礼が言いたかったの1点に尽きます。
Sky、特にその音楽や合奏機能が、わしの中の無くなっていた何かを蘇らせてくれた。今やそれでお金をいただくようになった。
これが感謝せずにいられるだろうか?と。
加えて、わしはヴィンセントさんの音がとても好きで。合奏パートを分析すると本当に安心できて親近感が半端なかった。それをお伝えしたかったんです。
実行委員会からも質問を集め、音楽祭グッズを手土産に、みんなの応援を背に受けて出撃しました。その内容はほぼnoteに記したのでご覧くださいね。夢のような時間でした。
(編集註✧ 上記はれいさんとヴィンセントさんの信頼関係があって実現したインタビューです。現在TGCスタッフとの交流に明確なルールはありませんが、コミュニケーションの際にはマナーを大切に…よろしくお願いします◎)
✦こういったれいさんの「周囲の能力をつなぐ力」のルーツを知りたいです
イベント会場や被災地など、咄嗟の状況下で判断し指示を出すような立場を10年ほど経験しました。良くも悪くも様々な人を見たことが関係しているかもしれません。とはいえ、まだまだです。
あとは哲学の本で『人は基本的に善で、でもいろんな要因で状態が悪くなると善の上にそれが覆い被さってしまう』、『人は何かを助けるために生きている』という考え方に出会って。
誰かの力になれたら嬉しく生き生きし、なれないとがっかりしちゃう。その2方向の度合いは様々でグラデーションはあるけれど、この物差しで物事を見ると、生き方がぶれずにシンプルになる気がしています。
この考え方でいけば、物事を依頼された側が「誰かの力になれた」と感じることがもしできたら、それはきっとプラスになると思いますし、ご自身の力にもっと気付いて欲しい思いもあって、ご協力を打診することが多いのかもしれません。ご一緒する際に感じた素敵なところは、できる限り伝えるようにもしています。
わしも人間なのでいろんな歪みがあり、ご迷惑や、的外れなことをしているとも承知しています。でもこういったことを通してそれを上回るほど誰かの力になれれば、と思っています。
以前はずっと同じ方がイラストを描いてくださり、今思い返すと最後の方は負担だったんじゃないかなと申し訳なく思っています。わしが編集者としてあまりに未熟だった、というのもあるかと思いますが…。
音楽祭のデザイナーについては、だぼだ監督の意向もあって毎回新たにお願いするような形になっています。

2026年には多くの方を繋いだ本『空の譜絵巻』が完成。
BOOTH【Skyアンサンブルの会工房】にて頒布中です!
デザイナー・ポスター・本・会一覧表。様々な方に都度お願いしていますが、Sky界隈にはアーティストさんがどんだけいるんですか!と、率の高さに舌を巻いています。色んな方にお願いするのは負荷分散の目的もありますが、加えて今は、色々な方に企画を通して喜び楽しんでいただけたらいいなという思いが大きいです。
✦最後になりますが、Sky以前に影響を受けた作品等はありますか?
子供の頃、ジブリ作品が大好きでした。ナウシカ、ラピュタ辺り。歳がバレますね笑
あとはドラクエです。どちらも特に絵と音楽にハマりました。
当時ゲームのやりすぎで親にファミコン(時代!)を取られてしまい、友達の家でプレイを見せてもらったり、お小遣いでサントラを買ってひたすら聴いたり、同じく友達の家のピアノで耳コピを弾いたりしていました。入り浸りすぎてその家を出禁になり…ご迷惑をかけたといまだに申し訳ないです。
古代祐三さんの曲にハマったのがその少し後です。幸運にも自宅にPCはあったので、ひたすら Ysとかソーサリアン(どちらもゲーム名。時代!)で遊び、覚えた音を鍵盤に乗せたり。高校生くらいまでそんなことをしてました。
こう書くと、今はツールがMacや携帯に変わったけど、やっていることは同じですね笑
わしの表現って一体なんなんでしょう。二次創作に特化?いやいや笑 頑張ります。
✦れいさん(Ray,Ikejiji)
「ひげが大好きです。あとはSky楽譜。楽器の音、ビジュアル。色合い。環境音。生命のサイクル。滲み出す作り手の優しさ。その大きな庇護のもとですくすくと育つ繋がり、創造性、思いやり。全てが好きです。」
※当記事は2026年7-8月に文書で回答いただいたものを元に構成しています。特記のない画像は、Xの投稿を元に作成し、ご本人のご確認を経て掲載しています。ヘッダーイラストはだぼださん(感謝!)。本文を含め転載は固くお断りいたします。
尚、回答ではkurukumaさん・だぼださん・ヴィンセントさん以外にも多くのお名前が挙がり、それぞれに対して感謝の言葉を添えて戴きました。全てを掲載出来ず申し訳ありません。
たくさんの繋がりあってのSky合奏と改めて感じています。これからもみなさんのご活躍を楽しみにしています!
番外編✦れいさんの好きな音楽を教えてください
最近ですと坂本龍一、久石譲、宇多田ヒカル、藤井風、Poter Robinson。ゲーム音楽はすぎやまこういちさん、古代祐三さん、光田康典さん、ヴィンセントさん。他にも好きな曲がたくさんあります。
学生時代は教会音楽やドイツリート(ドイツの歌曲)をよく聴いていました。好きな作曲家は、19世紀フランスあたりが多いです。フォーレとか、ラヴェルとか。
(以下、多くの音楽を解説付きで教えて戴きました。泣く泣く3つに絞りご紹介します…!)
いきなりガチクラシック、短い讃美歌です。彼が亡くなる半年くらい前に書かれたのだとか。本当にモーツァルト?と思わせる達観したかのような静謐さに、凄まじい美しさのコード進行。特に後半は本当にすごい。
わしは特に信仰は持っていないですが、教会で歌われる音楽が好きで、その美しさに強く惹かれます。その中でもこの曲は別格です。
名作ゲーム「クロノトリガー」より。↑リンクはそのピアノアレンジ版。
原曲大好きに加えて、アレンジ具合がどストライクで今1番のお気に入りです。打ち込みじゃないのもまた良い。ペダルの音が聞こえたり、指外したり、調律が少し狂ってたり、音の粒に少しだけむらがあったり。全てが愛しい。こうは書いてますが、奏者様とても上手です。こういうアレンジができるようになりたいです。
イェアさんによるSky合奏バージョンはこちら(YouTube)。大好きです!
宇多田さんが元々好きなのもあるけど、曲の構成が非常に面白くて好きです。米津さんのMVも時々勉強で拝見しますが、この方のカリスマは一体どうなってるんでしょうか。すごすぎます。