光る星の子インタビュー #07 ✦胡瓜さん
『金属で写し取る Skyの火と光』
✦Skyをはじめたきっかけを聞かせてください
2019年のリリース当初にTwitterで見かけて、綺麗な景色や楽しげな様子に惹かれインストールしたのが最初です。
完全に癒し系のフワッとしたのんびりゲームだと思っていたところ、初めての捨て地がいきなりめちゃくちゃ暗くて怖くて、心底怯えながら進んだことを今でも鮮明に覚えています……笑

Twitter初投稿写真。
「一番最初に手に入れた季節のアイテム “狐面” がなんだかとっても気に入り、初期髪・恒常服との組み合わせが……何と言うかしっくり来すぎたのだと思います」という胡瓜さん。7年経った今も基本はこのコーデ。ご自身のサインにも描かれています。
✦初めて制作したSkyファンアートは?
真鍮ケープです。星の子が着ているもの、お着替えのアイコン、羽ゲージ、光の羽など “ケープ関連の印象” をひっくるめたイメージで制作しました。

左/当時はまだ公式が「ケープ」と呼ぶ場面が少なかったそうで「翼マント」と表記。
羽の模様は1つ縦横2.5mmほど。中心に直径0.5mm穴をあけ、そこから糸鋸で切っていく…大変な作業です。
この頃は彫金スキルが未熟で、小さな星を切り抜くのにとても苦戦した記憶があります。もうだいぶ前ですからね…今見るとすごくガタガタですね!
でもずっとお気に入りの作品です。
✦この作品は公式アカウントからもリツイートされましたね!
あの時は素直に大変嬉しかったです!
立体ファンアートは著作権的ルールが厳しい場合も多く、その点Sky公式はかなりウェルカムな様子ではあったものの……結構ドキドキしながら投稿したんです。公式さんが取り上げてくださったことで「作っていいんだ!」と、その後のモチベーションにも繋がりました。
これをきっかけに、物作り系の方との繋がりが増えたり、「胡瓜さんのを見て自分も作ってみた」なんて方が現れたことも、嬉しくて光栄なことだと思っています。

公式からのリツイート(左)/右は2026年8月のSkyArtFestに向けた制作の様子。7年の時を経て、ようやくファンの手に届くことになりそうです…!
✦ファンアートを彫金で作ろうと思った理由はありますか?
Skyのアイテムはどれもシンプルながらも美しくて個性があり、想像やアレンジの余地もあって、自然に創作意欲が湧いてくるんですよね。
また、火と光が大切な要素としてあらゆる場面で登場しますが、それらは金属加工の過程や表現にも深い関わりがあるので、「金属でSkyのものを作る」ということ自体にかなり親和性を感じています。
僕はイラストも趣味なんですが、まず絵ではなく彫金でと思ったのはそこが大きな要因かなと思います。

職人系の精霊に対してもほんのり親近感を抱きつつ、アイテムがどんな素材でどんな作り方をされているか観察したり想像することがよくあります。
あれは鋳造かな、鍛造かな、道具見せてください、工期は何日くらいかかるんですか、とか考えながら歩くと楽しいです。
もし僕も王国の繁栄時代に生きてたら、皆の衣装とかの装飾に貢献して今頃は精霊になっていたかもしれません。
✦ファンアートのデザイン~制作の流れを教えてください
基本的に参考資料はSkyの中にありますので自分で撮りに行きます。それを横に置いて眺めつつ、パソコン上で図案を作って実寸で印刷し、それを型紙として真鍮板に貼って切り出す、という流れで制作しています。

「羽散らしブローチ」の図案(胡瓜さん提供)/バランスや強度を考慮しながら寸法を決定。立体図や制作工程は脳内にあり、手描きスケッチなどはあまり描かないのだそう。
以下、「蝕む闇の作り方ツリー」から抜粋してご紹介します。

図案に合わせて糸鋸で真鍮版をカット(左)
その後、切り口をヤスリで削ってなめらかにします(右)

蝕む闇の胞子部分は、真鍮棒をバーナーで溶かして作成

葉っぱを曲げて立体的に加工→銀ロウで胞子を溶接します。
この後さらに炙って色を出し、完成です✨
✦元々彫金が本業でもある胡瓜さん。独学で技術を身に着けたと知り驚きました。始めたきっかけを聞かせて下さい
作家活動を始めた直後(2017~18年)は天然石やガラスのビーズを使ったアクセサリーを主に作っていたのですが、その中で「金属の装飾パーツを合わせたいが市販品にはイマイチ気に入るものがない」という状況がありまして。オリジナルパーツを自作したくて彫金に手を出しました。
独学で始めたのは近くに習える場がなかったからという理由ですが、プロの作家や職人の技法解説ブログを見たり、Instagramなどでメイキング動画を大量に浴びたり、色々参考にしつつ実際に作りながら覚えました。インターネットが分厚い時代でよかったな~と思います。
自作できるようになったらもうやりたい放題なので、そこからは彫金がメインに!という流れで今に至ります。元々本格ジュエリー的なきっちりしたものを作るのが目標ではなかったこともあり、「彫金」というよりは「金属造形」「画材が金属」といった感覚で自由に作っている部分が多いです。

胡瓜さん愛用の道具たち。
「まず真ん中の「G」みたいな可愛くてイケてるやつが糸鋸です」と愛を感じるコメント付きで、写真を提供して戴きました。板を切る作業は全て糸鋸で行います。
左側はロウ付け用の耐熱ピンセットやヤスリなど。右側にあるのは玉台と矢坊主。蝕む闇などの曲面を出す時に使う道具なのだそう。
✦真鍮をメイン素材にしている理由は?好きなポイントはありますか?
ほどよい硬さと軟らかさによる加工性の良さ、肌馴染み良く落ち着く金色、長く使い込むほどに変化していく味わい、どの点を見ても本当に面白くて美しい素材だと思います。
研磨によって輝きや質感を変えたり、熱や薬品との反応で金色以外に仕上げることもできたりと表現の幅も広いです。意図的に調整できる部分と偶発的な部分、それを含めてデザインする楽しさもあります。

「真鍮を語らせると長文早口オタクになりますよ!推し素材ですからね!」と胡瓜さん(笑)
あえて表面を荒らしたり酸化被膜を付けたりすることで生まれる、深みのある色味やアナログ的な表現も作品に活かされています。
真鍮は時間が経つと変色するからと避けられることもありますが、革などと同じようにお手入れしながら育てていくのが楽しく、むしろ変色が醍醐味とも言えるので、そこも魅力として愛でていただけると嬉しいな~と思います。
新品の輝く金色も、数年後の渋い金古美も大変よいです。
興味があればぜひ人生に真鍮製の持ち物を加えてみてくださいね。楽しいですよ……!
✦過去に銅を併用してメタルマンタを制作されていますが、金属が違うと制作の難しさも変わりますか?
真鍮も銅も基本の手法は概ね共通ですが、硬さや融点の温度が違うので、力や火加減の調整は必要になりますね。
糸鋸でカットする際の感触も違い、例えるなら……まず真鍮がビスケットとして(?)、銅はキャラメルサンドくらいの雰囲気でしょうか。銅は軟らかさに加え粘りが強い感じです。厚みがあると尚更で、真鍮に慣れていると扱いにくく感じます。

メタルマンタの組み立ては本当に難しかったです……!
特にロウ付け作業の難易度が高くて大変でした。
良い感じの写真で誤魔化してますが(笑)、銀ロウが本来流れるべき隙間に入らず氾濫してしまい、パーツがちゃんとくっついていません。当時は諦めてそのまま投稿しちゃいましたが、最近改めて作った際にようやく綺麗に仕上げることができて、挽回を果たせました。

約5年越しで再制作した時の経過写真。大変さが伝わってきます…。完成品のポストはこちら。
✦その他、思い入れのある作品を紹介してください
ここは今のところの難易度部門第1位「光染料の蝕む闇のイヤーカフ」を上げておきましょう……。

蝕む闇が大好きで以前から作っていたのですが、光染めの季節でいきなりこのちょっとキモ……不気味な蔓を伸ばしたやつの登場がわりと衝撃的で……。
いろんなエリアで写真を集め、じっくりデザインを決めました。おかげで進捗自体はスムーズでしたが、個々のパーツが小さく数が多めで時間がかかり、ロウ付け作業はちょっとのミスで全部が台無しになる部分なので非常に緊張感がありました。失敗せずにできてよかったです。
本業でもあまりやっていないタイプの造形で、とても楽しかったです。技術がちょっとレベルアップした気もします。
ありがとうキモい闇。好きです。
あと自分的に結構気に入っているのが「輪っか」です!
Skyの使い道のよくわからないアイテム大好き。
なんかよくわかんないけど欲しい!と思って作りました。かなり満足度が高いです。

✦今構想中の作品はありますか?
ちょうど試作を進めているものとして、「本物寄りバージョンの蝕む闇」があります。
僕の彫金は主に「平面の板から切り出す」タイプで、粘土のように厚みを盛る感じの造形は不得手なんです。なので、今までの蝕む闇は作りやすい形にデフォルメしています。
これはこれで気に入っていますが、最近は板から立体的に成形する技も使えるようになってきたと感じるので、もう少し本物に寄せたデザインで挑戦してみよう!と着手しています。
雨林神殿くらいのを一株生やしたいな……と。難易度高めで手間もかかる見込みですが、上手くできたらお披露目しますのでぜひ見てやってください。

従来の闇花(左)は3枚セットで葉を切り出して曲げ、立体化するデザイン。対して試作品(右)は、茎付きの葉を複数連結して株に仕上げる構想とのこと。
ちなみに「立体造形すぎる」という理由もあって、カニ・暗黒竜・マナティなどの作品化は今の所は白紙だそうです。
✦技術面以外で、制作に難しさを感じることはありますか?
予算の問題なのですが、白いマンタは作りたいけど断念しています。メタルマンタは雨林神殿の奥にいるのがモデルなので銅にしましたが、標準的な白いのも作りたくて。
金属で白ということは銀ですが、材料費が……銀の地金は現在ずいぶん高価になっておりまして……。
純銀の白い輝きのマンタはさぞかし美しいことだろうと思うんですが、結構な量を使う上、失敗してしまう可能性もあり、贅沢すぎて出来ずにいます。
僕が余裕の富豪でないばかりに無念……!
✦価格面はArtFest出展にあたり悩む所でもあると思いますが…
「非営利の範囲で」のガイドラインがありますし、もちろんファンアートで儲けようというつもりはないんですが、変に安くしすぎると彫金技術の価値を不当に下げることにも繋がってしまうので、値付けのバランスが難しいな~と思います。
価格に関しては僕に限らず、他のクラフト系の方も同様にお悩みなんじゃないかと!
材料などの物理的な原価に加えて、制作にかかる時間や技術は正当な必須コストなので、そこもきちんと計算に入れるべきと個人的には思っていますが……無理のない範囲で熟考したいです……!

✦そんな中でも、来場する星の子たちにアピールしたいことがあればぜひ!
弊作品は同人グッズの相場感で見るとやや高めとは思うのですが、本気の仕様で作っているので、その分ご期待いただければ幸いです。
元々量産できない制作方法なので、頒布数はあまり多くはできなさそうですが……せっかくの機会ですし閉場時間まで見られる作品がいっぱいある!という状態にしたいので、過去作品も展示用として持っていきます。
細かな部分の造形や質感など、写真では見せきれない「ここめっちゃ良くないですか!?」的な推しポイントがたくさんあるので、ぜひ実物を間近で見てみてほしいな~と思います。

✦改めて、胡瓜さんにとってのSkyの魅力を聞かせて下さい
飛ぶ心地良さ、光や音の美しさ、エリア毎に異なる空気感が大好きです。
その中で、クエストなど用意された遊びもしっかりありつつ、フレンドと交流したり探索したりと自由な遊びもあり、あるいはただ何もせずに居てもいいところ。
デザイン面の美しさももちろん大きな魅力です。
長年遊び続けてだいぶ “人生” に食い込んでいるので、今後とも末永く遊ばせていただけたらいいな~と思います。
✦胡瓜さん
X@quri_sky(Skyアカウント)
X@quri_404xx(彫金アカウント)
「蝕む闇好きの彫金師(精霊風の名乗り)。
Skyの生き物たちの生態が気になる。エビはもう全然怖くない。たまにちょっかいを出して散る。
光を運ぶ使命はサボっているため星キャンドルが不足。
更新時間ギリギリの駆け込みデイリーだけで済ませる日も結構ありつつ、気が向いたエリアを散歩したりフレンドとお喋りしたり写真を撮ったり、ゆるく遊んで癒されています。」
※当記事は2026年6月に文書で回答いただいたものを元に構成しています。
「胡瓜さん提供」と特記のない画像は、Xの投稿を元に作成し、ご本人のご確認を経て掲載しています。本文を含め転載は固くお断りいたします。