はじめに
憧れの先へ
「レースはまだ閉ざされた遊びだった」
背を追った星の言葉を思い出す。飛行の技術を磨くというのは、憧れる星の子はおれどskyの遊び方の中では物珍しいことだったようだ。昔の空を教えてくれたその星の背は、今はもうない。
眼前では観衆が、地鳴りと紛うほどの歓声をあげている。観衆の端は朧気に見える程度だ。いよいよレースも最終戦。今やskyでのレースは羨望の舞台となった。
先刻用を足したばかりなのに、既に催している。溢れる手汗が、レースに支障を来すのではないかと不安にさせる。乾く喉を少しでも潤すために唾液を胃に押し届けながら、どうして余計なところに水分が行ってしまうのかと体の不思議さを推考する余裕だけはあるのは何故だろうか。
レースの開始を告げる感情表現がなされた。更に上がる会場の熱気が、さらに掌を潤す。何千回、何万回と練習をしてきた。ときに別れも経験した。それでも飛び続けた。そして今、ついに舞台に立っている。
傍らには、追い続けた星の肩がある。
記事の方向性
少し深呼吸でもしながら目指す飛行を想像してみてほしい。特定の誰かの飛行を想像することもあるだろうし、誰も試したことない飛行かもしれない。もしかしたら漠然と速く綺麗に飛びたいと思っているだけの人もいるかもしれない。具体的でなくても構わないので、そんな理想的な飛行がイメージできたら第一段階はクリアしたと言える。あなたも飛行屋の仲間入りだ。そのような理想を実現する飛行技術について考察してもらうことで、広義の考察記事としようと思う。
本稿の読者に多いのは恐らくSkyAirRaceに興味を持っている人だろう。他にも飛行技術に分類されるものはRTAやチャレンジ、ブルーインパルス以外にも多岐にわたる。そんなあらゆる飛行においてベーシックな知識を記すと共に、私が知る限り効果的な練習法をいくつかに分けて連載しようと思う。肩の荷をおろして牛歩で進もう。
さて急だが、以下の問題を解いてほしい。解けようが解けまいが構わない。問題を解くことで、知識はあなたの脳に急速に定着していくからだ。
問題演習
次の空白に当てはまる言葉を答えてください。
①「 ア 」の状態から飛び立つことで、飛行の速度と上昇力を向上させられる。また特に「 ア 」の状態では水平よりも「 イ 」の角度で飛んだ場合に速度が増す。逆に水平よりも「 ウ 」の角度で飛ぶときは速度が減少するため注意が必要になる。
②滑空中に「 エ 」の入力を繰り返すと減速する要因になる。
③真上に滑空状態で飛行する「 オ 」飛行は、ホバー状態よりも速く真上に飛ぶテクニックである。ただし、気流や地形によって選択する場面は選ぶ必要がある。
解けなかった人も気負わないでほしい。「知らないことがあることを知った」ということが、成長の第一歩なのだから。しかしながら敢えて解答は書かず、モヤモヤしたまま次の記事を待っていていただこう。フレンドと答え合わせをしても良し、次の記事が出るまで待つも良し、だ。