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自分の星の子がうまれた理由

 誕生日、と聞いて、皆さんが思い浮かべるのは誰でしょうか。自分、友人、家族、推しを想像する方もいるかもしれませんね。

 その中に、星の子を思い浮かべるプレイヤーも多いのではないでしょうか。

 自らの星の子がうまれた、skyというゲームを始めた日。それをどれ程重要に捉えているかは人それぞれです。何週間も前から頭にある人もいれば、日が近くなって思い出すくらいだったり、覚えていないという人もいるかと思います。

 私は、最近知ったなぁという程度には軽いです。なのでやはり、始めた頃は写真を残したりという思い出らしいものを作ることをしていませんでした。ちょっと後悔もしています。

 しかし物が残っていない為からか、当時の記憶は今でも鮮明に思い出せます。今回は、その時思ったことや感じたことを記してみようと思います。

 私がskyというゲームを知ったのは約3年前、友人Kからの紹介でした。Kはいわゆるゲーマーで様々なゲームをプレイしていましたが、当時熱中していたのがskyだったのです。

 そこで少しプレイを見せてもらうと、まずはその景色に驚きました。

 私がゲームを始めるにあたって重要視してきたこと、それは視覚情報です。素敵なものを見たとき、目の保養になる、という言葉をよく聞きますよね。

 しかし魅力的に感じる基準は人それぞれですので、当然グラフィックが良ければ良いという訳ではありません。キャラクターや演出、カラーリングでも好みは分かれるかと思います。

 また、skyは文字として明確に表示するのでなく雰囲気で物語ることが多いことなど、珍しい特性はいくつも挙げられます。そんなskyの世界は、私の好奇心を擽るものだったのです。

 多彩なカラーリング、鮮やかに輝く光の生き物に、おどろおどろしい闇の生き物。豊かさや冷たさ、神秘さなどを感じられる様々なエリア。

 最初こそ見るだけでしたがその世界観に徐々に惹かれてゆき、約3年前の春、遂にダウンロードしてみました。

 そうしていざ始めてみると、マップ上で輝くものがあることに気づきます。黒い舞茸が生えた青い光、精霊の解放は、また驚きの多いものでした。

 人目見ればすぐに見分けがつくほど個性溢れるその様相は、彼らに興味を持つには十分です。各エリアで輝いている彼らを、時に先輩方に手伝っていただきながら、時に羽を散らしながら、最後まで追いかけて行きました。

 その道中で彼らが映し出すバックストーリーは、愉快なものもあれば切ないものもあり、skyの世界の楽しさや厳しさを分かりやすく理解できます。言葉を使わない動きや情景での表現は、私がskyを好きな理由の一つでもあります。

 そうして新たな精霊を神殿に連れて行っては星座のツリーを眺め、手当り次第タップしてみては戻ってを繰り返していると、あることに気づきました。精霊からアイテムを交換できることです。

 エモートはともかく、ツリー上部の♢マークは最初なんのことだか分かりませんでした。しかし禍々しい門の前で立ち往生する訳にもいかず一旦ホームに戻ると、周りにたくさんの人だかりが。

 すずめ特有の躊躇いのない火灯しで姿を見せてもらうと、美男美女にリトルまで勢揃い。すごいすごいと喜びながらお辞儀をし、周りを徘徊してその姿を観察しました。

 そしてふと、彼らが身に着けているものにほとんど被りがないことに気付きました。それと同時に、星の子は想像した以上に好きに着飾れるということにも。以前見せてもらった友人Kの姿が妙に凝っていて凄いとは思いましたが、そこでようやく気がついたのです。

 髪型や面や被り物などの頭周りから、パンツや靴というファッションの大部分、そして星の子の要となるケープ、更には身長と声までも変えることができます。

 細かな部分も造形が深くデザインは様々で、好みの違う星の子達全員が余りなく目を惹かれるであろうほど豊富でした。かっこいい、かわいい、美しい、面白い、組み合わせによってその印象は大きく変えられます。

 それまでの私はうろうろして人を眺めたり、精霊さんに構ってもらう日々でした。しかしこの頃から、遂に友人Kに教えてもらいながらキャンマラを始めたのです。

 大キャンドル、闇花、レース、パン焼き、間欠泉。キャンドルをたくさん集めるための方法と、そのための光の子と羽を教わり、やっと独り立ちしてキャンドルを集め始めました。

 全く光を取れないレースに何度も挑み、大キャンドルを探して全てのエリアを回り、サマータイムに翻弄される。今となっては穏やかな気持ちでできるキャンマラも、当時は激動といったものでした。

 そうして最初は面だけ、ケープだけ、髪型だけを変えていたのが、そのアイテムに合うものと組み合わせられるようになり、次第に自由なファッションを楽しめるようになる。それは達成感に近い感動でした。

  

 初めて貰ったケープはしばらくの間ずっと身に着けていて、毎日羽織る訳ではなくとも今でもお気に入りの一つです。

2023.10

復古の季節

忘れ去られた

楽園のなごり

 好きな格好をして空を飛ぶ。ゲーム内でも自己表現を楽しめるということは、最高の試みでした。それは今でも変わりません。

 当時憧れだった恒常以外のケープは、今となっては両手で数えても余るほどあります。景色も見慣れて新鮮味はありませんし、精霊さんは解放したらもっぱら神殿でなく星座盤から。

 歴が長い訳ではありませんが、最近は新鮮に感動することは少なくなってしまいました。それでもこうして振り返ってみると、やっぱりskyを始めて良かったな、と思ったりするのです。