そこがあなたの帰る場所 -ホーム設定場所アンケートで見えたSkyの歴史-

 

みんなは、どこへ帰るの?

2025年1月、Xで見た興味深い投稿に“海ホーム”の文字はありました。その投稿には、今のSkyにちょっとした不満を抱えるベテランと思しきフレンドの言動に悩む、比較的最近になってゲームをプレイし始めたであろう、プレイ歴の短い(若い)ユーザーの嘆きが凝縮されていたのです。

海ホームとは、海外のユーザーが呼び始めたとされる【ホーム】の愛称。ホームは旧ホームと呼ばれることも多いですが、日本のユーザーの間でも海ホームの呼び名が浸透しつつあります。

「復古の季節よりあとからゲームを始めたユーザーたちは、全員、花鳥郷からスタートする…」

悩みを投稿した若いユーザーは、きっと知りません。ホームがなぜ旧ホームと呼ばれ、海ホームの呼び名が加わったのかを。

「それ以前のユーザーたちは、全員、ホームからスタートする…」

ベテランと思しきユーザーは、きっと知りません。今のSkyがどのように始まり、背中に椅子を背負う雀たちが、何を見てきたのかを。

「みんなは…どこを【ホーム】にしているんだろう?」

 

これは、私の好奇心が見つけた、静かにそびえ立つ壁のお話。

 

用語解説 -3つの開始地点:ホーム・花鳥郷・巣-

まず、””ホーム””という用語には2つの意味があり、基本的には下記のいずれかを指します。

  • エリア名
  • ゲームの開始地点
     

今回、私が疑問に感じた【ホーム】はゲームの開始地点のほうです。

バージョン0.30.0現在、ゲームの開始地点は3個所あります。

  1. ホーム(旧ホーム・海ホーム)
  2. 花鳥郷
  3. 巣 
     

アンケートの結果を開示する前に、それぞれの特徴を簡単におさらいします。

 

ホーム(旧ホーム・海ホーム)

孤島~書庫の祭壇、暴風域のゲート、ドレスアップの祠、デイリーを受注できる舞い戻り像などが配置されたエリアで、コンパクトにまとまっていることが特徴です。

ゲームリリース期~復古の季節の途中までは、初めてゲームをプレイしたユーザーが、最初に訪れる(墜ちてくる)場所でもありました。旧ホーム・海ホームなどとも呼ばれます。

 

花鳥郷

復古の季節より新たに追加されたエリアで、ホームと同じ機能に加え、音楽堂や風の街道、コラボレーションの間など、様々なエリアを繋ぐ場所としても使われています。

花鳥郷内でストーリーが進行する季節も多く、大きなアップデートのたびに様相が変わる場所です。オープニングの変更後に伴い、復古の季節の途中から、初めてゲームをプレイしたユーザーが、最初に訪れる(墜ちてくる)場所も、ホームから花鳥郷へ変更されています。

 

巣は少し特殊な仕様です。

巣づくりの季節で特定のクエストをクリアすると、ユーザー1人に対し、1つの部屋が与えられます。そして、ゲーム起動時のみ、自分の部屋を開始地点できるのが巣の特徴で、各エリアから舞い戻ったときの挙動は、花鳥郷をホームに設定したときと同じです。巣からゲームを始める=自分ひとりだけの空間から始まる、とも言えます。

 

アンケート集計結果

さっそく、アンケートの結果を見ていただきたいと思います。

※注釈
旧ホーム(海ホーム):ホーム
花鳥ホーム:花鳥郷
巣ホーム:巣

投票期間はたったの24時間。それにも関わらず、投票総数は8702票、リプライの数は124にものぼりました。驚いたのはホームの利用率の高さ。投票に参加したユーザーの実に82.7%がホームを開始地点に設定。花鳥郷を開始地点にしている私には衝撃的な結果です。

なぜこのような結果になったのかを、いただいたリプライから紐解いてみます。

 

【ホーム】を開始地点に設定しているユーザーの傾向

デイリークエストの受注・報告や欠片配りを手早く・簡単に終わらせたいユーザーから高い評価を得ていたのが【ホーム】でした。

  • 最大の特徴は
    “デイリークエストの報告や星座盤への容易なアクセス”を重視する点。

  • 「花鳥郷だとゲートまでが遠い」「ホームの広さが丁度よい」といった、
    ホームならではのコンパクトさを評価したユーザーも多数
  • コンパクトさを重視するのは、デイリークエストや欠片の配布など、
    ログイン後のルーティーンをより手早く終わらせるためと思われる。
  • 2年以上プレイしているユーザーからは、
    「ホームで慣れている」「思い入れのある場所だから」 との声も多い。
  • 【ホーム】に愛着があり、一度は他のエリアを開始地点に設定しても、
    ホームに戻すユーザーも少なくない。
  • フレンドにホーム利用者が多く、敢えてサーバー被りを意識したり、
    フレンドに合わせてホームを選んだりしているユーザーも。

 

ゲームリリース期から存続するエリアでもあり、慣れ親しんだ愛着のある場所から離れずに、ずっと使い続けたいと願うユーザーもたくさんいます。

 

【花鳥郷】を開始地点に設定しているユーザーの傾向

80%以上のユーザーがホームを利用しているとなれば、フレンドとの「サーバー被り」も増加します。このサーバー被りを避けたいユーザーから評価を得ていたのが【花鳥郷】です。

  • 「フレンドとのサーバー被りを避けたい」「人が少なくて落ち着いている」など、
    ログイン直後からフレンドとマッチングするのを極力避けたいユーザーの声が多い。
  • カフェや音楽堂、風の街道へのアクセスがホームよりも容易であることから、
    花鳥郷はキャンドルマラソンを重視するユーザーに好評。
  • 精霊が常時滞在しており、精霊との交流を重視して花鳥郷を選択するユーザーも
    少なくない様子。
     

ログインしてすぐにフレンドと会えるのは、もちろん嬉しいことではあります。ですが、ちょっと急ぎたいときにフレンドと会うと、簡単な挨拶しかできなくてヤキモキしますよね。そういった事態をなるべくして避けるために、花鳥郷を開始地点に設定するユーザーもいるようです。

また、風の街道や音楽堂へ直接行けるポイントがあることから、時間効率を重視したキャンドルマラソンをするユーザーに支持されています。

 

【巣】を開始地点に設定しているユーザーの傾向

利用率の一番低い【巣】は、特殊な仕様を活かす使い方が見て取れました。

  • ログイン直後、誰とも会わずに準備をしたいユーザーから支持を集めている。

  • ログイン直後の専用演出を楽しみにしている声も多い。
  • 「すぐに演奏練習ができる」など、合奏・演奏好きのユーザーにも好評。
  • 巣スタートに関連するバグが頻出しているためか、
    「バグがなければ巣スタートにしたい」といった要望に近い声も。

 

「ログイン直後に誰かと会うのは気が引ける…」「まずはゆっくりと支度をしたい」などといった理由で、誰とも会わずに準備をしたいユーザーや、楽器や楽譜の練習を気兼ねなくやりたいユーザーからの支持が集まっています。ただし、巣に関するバグはアンケート当時から頻出しており、(現在もフレンドではないユーザーの巣へ遷移してしまうバグがあることから)巣スタートへの切り替えに踏み切れないユーザーも多いです。

 

それを”歴史”と呼ぶのか、”壁”と呼ぶのか。

リプライを確認しながらアンケートをまとめていると、あることに気づきました。

一部の若いユーザーが、ホームへの行き方を知らなかったのです。それと同時に、一部のベテランのユーザーも、ホームの存在を知らないユーザーがいることに気づかなかったこともわかっています。

「復古の季節よりあとからゲームを始めたユーザーたちは、全員、花鳥郷からスタートする…」

季節が移ろい、景色も様変わりするように、Skyの中でも時は移ろい、仕様は変化していきます。

「それ以前のユーザーたちは、全員、ホームからスタートする…」

しかし、変化する前の景色や仕様を、全てのユーザーが知っているとは限りません。

Skyの歴史が作ってしまった、ベテランと若い方の間にある透明な壁を少しでも薄くすべく、リプライの詳細もまとめることにしました。

 

ホームに対する印象・イメージ

特に印象的だったのは花鳥郷の位置付けです。

既存ユーザー(2年以上)の傾向
 ホーム:生まれた場所、長年使っている場所、思い出の場所
 花鳥郷:新しい季節に伴って追加された新エリア

新規ユーザーまたは歴の浅いユーザー(0〜1年)の傾向
 ホーム:ベテランのフレンドがいるエリア、
     砕ケル闇のクエストで舞い戻るエリア
 花鳥郷:生まれた場所、スタート地点

ベテランのユーザーは「新エリア」と認識している傾向にあり、“ホームが既にあるのに、花鳥郷をホームと呼ぶのは違和感を覚える”と考えるユーザーも少なくありませんでした。「旧ホームと呼ばれたくない」「花鳥郷はホームではない」と記すユーザーも、少なくありません。

一方の若いユーザーは、そもそもとしてホームへ行く機会が少なく、特定の手順を踏まない限り、ホームへ行くことはありません。ゲームの開始地点をホームに設定していない場合、以下の手順であれば、ホームへ行けます。

  • ホームにいるフレンドへのワープ
  • 暴風域最終盤(原罪手前)で出現する
    「ホームへ戻りますか?」の設問で「◯」を選択
  • 砕ケル闇の女神像(いにしえの間)で瞑想
  • 花鳥郷の特定のポイントで瞑想

ベテランのユーザーには衝撃的な話かもしれませんが、砕ケル闇ノ季節のクエストで初めてホームの存在を知るユーザーもいます。

 

非公式の名称問題

花鳥郷が追加され、花鳥郷を新たなホームに設定できるようになった当初、一部のユーザーから「今までのホームをなくすのではないか」といった不安の声が挙がったと聞きます。

その頃から、花鳥郷を新しいホームと解釈し、今までのホームを”旧ホーム”と呼ぶユーザーが出始めたようです。

しかし、花鳥郷が新しいホームとなりうる存在だからと言って、今までのホームを古いものと認知されたくないと考えるユーザーもたくさんいました。いただいた声の中にも「ホームはホームであって、旧ホームではない。」「旧ホームと呼びたくない・呼ばれたくない人もいると知ってほしい。」と訴えるユーザーは何人もいたのです。記事の冒頭でお話した“海ホーム”の呼び名が、日本のユーザーでも使われるようになった理由にも、繋がるかもしれません。

これが影響したのか、理由は定かではありませんが、公式より「従来のホームもそのまま使えるので安心してほしい」との声明が出されました。現在もホームは存続し、花鳥郷との共存を果たしています。

 

誰がなんと言おうと、そこがあなたの帰る場所。

半年も前に取ったアンケートの結果を、今更ながらに改めてまとめ直しました。

Skyの歴史が重なるにつれ、ユーザーの選択肢(選べるホームの場所)も増えました。みなさんには、誰がなんと言おうと「ここがいい!」と思った場所を、帰る場所にしてほしいです。ここだったら安心できる、ここへ帰ると嬉しい気持ちになる…そんな場所に、帰ってきてほしいのです。

あなたの心のホームは、どの場所ですか?