間もなく過ぎゆく「渡りの季節」。皆さんはエンディングまでご覧になりましたか?
この記事には、渡りの季節のネタバレを含む考察をまとめています。まだの方は、ぜひ最終クエストを踏破し、エンディングを見た後で、ここへと戻ってきてください。

それでは、始めますよ!
命はどこを巡るのか?
映画Skyと連動したふたつの灯火の季節-前篇-で命の終焉を指し示したのに対し、渡りの季節は命が如何にして巡るのか?に焦点を当てています。

どちらの季節も、Sky王国の歴史を深めるにあたって非常に重要な季節です。

孤島から出発した角のある光の生き物たちは、渡りの鐘職人・渡りの案内人・星の子の手助けによって、無事に孤島へと還ってきます。孤島から出発した生き物たちは天空で光となり、地上へと落ちてまた次の旅へと出発していく……私はこの循環を「命の循環」と呼んでいます。
今回のテーマは「命の循環はどこで途絶えたのか?」です。Sky王国崩壊のきっかけとなってしまったであろう命の巡りの断絶を、真面目に、真剣に、考えてみました。
摩訶不思議な道筋
渡りの季節は孤島が開始地点です。ふたつの灯火の季節は書庫で展開された物語でしたから、どこか対象的で面白いですね。

孤島を出立した一団(渡りの鐘職人・渡りの案内人・星の子)の目的は、角のある光の生き物を無事に空へ送り届け、生き物から次なる命へ転生した光の帰還を見守ること。ですから、一団は孤島から旅へ出て、はじまりの地・孤島へと戻って来るのですね。
しかし、星の子の転生ルートと渡りのクエストのルートは、だいぶ異なるものでした。比較して考えます。
星の子の転生は(孤島を出発して寄り道せずに突き進むなら)以下のとおりです。
孤島→草原→雨林→峡谷→
捨てられた地→書庫→暴風域→原罪→
天空への道→天空→孤島……
これに対して、渡りのクエストのルートは
孤島→草原→雨林→峡谷→
捨てられた地/交流広場→
捨てられた地/倒壊した祠→
捨てられた地/忘れられた方舟→
風の街道→
天空への道/銀河→
孤島/スタート地点近くの海……
捨てられた地の一部~原罪を通らず、風の街道から直接天空へと向かっていました。風の街道へ行くにしても、忘れられた方舟から向かうのは、明らかに遠回りですね。
どうしてこのようなルートで向かったのでしょう?
忘れられた方舟へ向かった理由を考える
渡りのクエストの内容だけで見れば、捨てられた地/交流広場→捨てられた地/忘れられた方舟へ向かったのは、行方不明になった鐘職人の捜索が目的だとわかります。

ただし、クエストの景色は星の子が見ている「今の時代」の景色であることも考慮しなくてはなりません(※ふたつの灯火の季節など、特殊な事例を除く)。命の循環が途絶えた理由を探るには、今何が起きたのかを考えると同時に、精霊たちの時代に何があったのかまで考える必要があります。
ここで着目したいのが、倒壊した祠で生き物たちを蝕む闇から救うクエストです。

このクエストでは、倒壊した祠の上空に数匹の暗黒竜を確認できます。星の子が普段飛び回る倒壊した祠エリアに暗黒竜はいませんから、ここにも暗黒竜がいたのか!と驚いた方も多いはず……
もし、生き物の渡りがまだ途絶えていなかった時代から、あの場所に複数の暗黒竜がいたとすれば、生き物たちはどうなるのでしょうか?

蝕む闇に囚われ、身動きすら取れなかった生き物たち……あの場面から助かる術を、私は全く想像出来ません。
空には暗黒竜が飛び交い、地には蝕む闇が蔓延る地……こんな場所を積極的に通りたいと思う精霊が、果たして居たのかどうか。渡りを知り、渡りを守る精霊たちであれば、そのような選択肢なぞ取らない気がするのです。

正直なことを言えば、暗黒竜回避のために忘れられた方舟を通ったところで、暗黒竜は存在します。とはいえ、複数の暗黒竜がいる空と、1匹の暗黒竜がいる空のどちらがより安全かと聞かれたら、数の少ない方が安全だと答えるはずです。渡りを守る精霊たちは、生き物たちをより安全なルートで空へ送り届けるべく、少しでも敵の少ないルートを選択したのかもしれません。
風の街道へ行く最短ルートを考える
忘れられた方舟へ向かった理由は考察できました。次に考えたいのは、風の街道へ向かうルートについてです。

風の街道へ行くには、忘れられた方舟以外にも孤島/預言者の石窟や草原/楽園、雨林/地下洞など、いくつかのルートがあります。
一団は孤島から出立して風の街道へと足を運んでいますから、わざわざ忘れられた方舟を経由して風の街道へ行くなんて、どう考えても遠回りのはずです。遠回りを承知で、忘れられた方舟を経由したのはなぜでしょうか?
ここで着目したいのが、渡りの季節との関連が強い「羽ばたく季節」のクエスト。

羽ばたく季節のクエストに登場する風の街道以外の地域は
- 雨林/地下洞(船のパーツ集め)
- 捨てられた地/忘れられた方舟(蝕む闇に囚われた光の生き物を助ける)
この2箇所だけです。それに加えて、私がもう一つ着目したのはAsh氏の発言。
https://x.com/sky_tea11/status/1466337347537018881?s=20
Ash氏によれば、羽ばたく季節は過去(精霊の時代)と現在(星の子の時代)が混ざった季節ですから、
- 孤島/預言者の石窟
- 草原/楽園
- 峡谷/隠者の峠
- 書庫/星月夜の砂漠
羽ばたく季節のクエストに登場しないこの4箇所は、【精霊たちが生きていた当時に開通していたルートかどうか、定かではない】と思うのです。
特に書庫!私は、星月夜の砂漠・ムーミン・三日月オアシスは、精霊たちが読んだ書物の世界を、星の子が神通力で飛んで回っている、と解釈しています。ですから、精霊の時代に精霊たちが星月夜の砂漠に行けてしまうのは違うのかな?とも考えています。

逆を言えば、
- 雨林/地下洞(船のパーツ集め)
- 捨てられた地/忘れられた方舟(蝕む闇に囚われた光の生き物を助ける)
この2箇所は【羽ばたく季節の精霊たちの願い(季節のクエスト)に大きく関わる場所で、精霊たちが生きていた当時に開通していた】可能性も格段に高くなりました。
これらの内容を踏まえると、孤島から街道へ行くルートを考えたときに、雨林/地下洞を通るのが一番手っ取り早いように思えます。しかし、【雨林/地下洞が既に物理的に塞がれていた】とすれば、どうでしょうか?

星の子が地下洞へ行くには、晴れ間で誰かと一緒に怒りのエモートをして、足元の岩を崩さないといけません。

星の子が地下洞の出口から晴れ間へ出ても来た道を引き返せない(扉の解錠ギミックを使えない)あたり、地下洞を塞いだのにも理由があったと考えるのが自然でしょうか。例えば、ダイヤの採掘が終わり、廃坑で塞がれてしまったとか……
どんな理由にせよ、道が物理的に塞がれていたのであれば(道の破壊を選ばない限り)遠回りするしか術はありません。
渡りの生き物たちが書庫と暴風域を通らない根本的な理由
孤島から風の街道へ向かうルートの考察を終えたところで、星の子の転生ルートと渡りのクエストのルートをおさらいします。
【星の子の転生ルート】
孤島→草原→雨林→峡谷→
捨てられた地→書庫→暴風域→原罪→
天空への道→天空→孤島……
【渡りのクエストのルート】
孤島→草原→雨林→峡谷→
捨てられた地/交流広場→
捨てられた地/倒壊した祠→
捨てられた地/忘れられた方舟→
風の街道→
天空への道/銀河→
孤島/スタート地点近くの海……
上述のとおり、渡りのクエストでは、捨てられた地の一部~原罪を通らず、風の街道から直接天空へと向かっています。

星の子の転生は、捨てられた地を駆け抜け、書庫の塔を昇り、暴風域の嵐に立ち向かって原罪で羽を還すのが通常のルートです。生き物たちはなぜ風の街道から直接天空へと向かっていけるのか……不思議ですよね。
しかし、そこで私は気づきました。そもそも、精霊たちが生きていた時代に、暴風域と原罪は存在していたのでしょうか?
解決の糸口は映画Skyのとあるシーンにありそうです。少し詳しく説明しますね。

第4章の終盤、書庫の大精霊が主人公へ統治者の居場所を伝えるシーン、ここが最大のヒントです。

書庫最上階の扉を開いた書庫の大精霊は、主人公へ「あそこにいますよ」と言わんばかりに、自らの顔を内から外へと向けます。このときの外の様子に注目してほしいのです。

このシーンですね。次に、ゲーム内の書庫最上階・瞑想後の場面と、暴風域の入口周辺を思い出してください。


もうおわかりいただけたかと思います。映画Skyの書庫最上階はゲーム内と異なり、まだ建物が壊れずに残っていますね。
つまり、映画Skyの段階で暴風域は存在していなかったかもしれないのです。暴風域がなければ原罪もないでしょう……星の子の転生は暴風域と原罪の通過が必須です。しかし、生き物たちにその必要はありません。それは、存在しない場所を通る必要もないからです。
最終クエストの意味を考える
風の街道へのルートが遠回りなった理由を考察できたところで、渡りの最終クエストを振り返りましょう。

風の街道で、渡りの精霊たち(蝶々使い・鳥の語り部・海月の語り部・マンタの語り部)のそばへ鐘を設置して鳴らすと、それぞれの精霊に対応する生き物たちがゲートの背後から飛び出します。

生き物たちが音を頼りに風の街道から天空へ向かっていたとも考えられそうです。生き物たちがのびのびと過ごせたであろう風の街道で、空へと向かう最後の準備をしていたのかもしれません。
あぁ、そういえば。
最終クエストで、星の子が角のある光の生き物へ姿を変えて、天空へ向かう生き物たちを先導するシーンがありますね。

このあと、孤島へと戻ってきますが、精霊たちは地上で光の帰還を待っていることがわかります。

精霊たちが天空へ行けず、星の子が天空へ行けるのはなぜでしょうか?私は星の子の命の構造に着目しました。星の子は特殊すぎるんですよ、本当に。
星の子は数多の命を背負って飛び回る、光の運び屋です。原罪で全ての翼(命)を還した後、天空で精霊から翼を託され、新たな星の子となって再び地上へと降り立ちます。これが「転生」です。万が一、星の子が地上で命を落としたとしても、(所謂)慈悲部屋で1つの命を託されて、地上へと戻ります。

つまり、星の子は、どうあがいても完全には死ねません。星の子が死んでしまったら、原罪で光を還す者が潰えてしまいますから……(メタ的に言えば、”アカウント削除”が事実上の「死」と思われます。)
今度は精霊たちの立場で考えます。ふたつの灯火の季節と映画Skyにヒントがありました。

第3クエスト終了後、捨てられた地の神殿内にはいくつもの遺体が安置されていますね……

映画Skyの第4章でも、たくさんの遺体を目にしたはずです。精霊たちが星の子と同じように、複数の命を持ち得ていたとしたら、ここまでの惨劇になったのでしょうか……?
私は思うのです。精霊たちは(人間と同じように)1つの命しかなく、一度死んでしまったが最後、同じ姿のまま地上へ帰ることが叶わない……もっと言えば、仮に精霊が転生できたとしても、前世の記憶を保持できないのではないか、と。より端的に言えば、精霊が天空へ行くことは即ち地上で命を落としたと同義であり、精霊が天空へ行くには死す以外に方法がないのでしょう。
生き物たちの経過をそばで見守りたくとも、天空へ行くには死ななければなりません。ですから、精霊たちは(幾度も転生できる)星の子に、生き物の見守りを代行したのではないか、と思います。星の子からすれば、生き物たちがどのように光へ還るのかの追体験にもなりますし、非常に興味深い場面と感じました。
命の循環はどこで途絶えたのか?
さて、本題。今までの内容から、命の循環がどこで途絶えたのかを考えます。候補は3箇所。
- 捨てられた地
- 風の街道
- 孤島
候補とした理由を下記で述べます。
第一候補:捨てられた地

鐘職人が捨てられた地で行方不明となり、捜索の途中で生き物たちも命を落としたために、命の循環も途絶えたとする説です。一団は鐘職人が作った鐘の音を頼りに進んできました。鐘職人が不在では、風の街道にも鐘を設置できなかったかもしれません。風鈴職人がいたとて、鐘と風鈴は全く異なる物ですから、風鈴職人が鐘を完全に再現するのは難しいはずです(Ash氏から、風鈴職人は草原の賞賛する鐘の造り手・手を振る鐘の造り手との関連も示唆されていますが……果たして)。
https://x.com/sky_tea11/status/1616592607941120000?s=20
第二候補:風の街道

羽ばたく季節のクエストで、風の街道が闇に囚われたのを発端とする説です。このクエストは、精霊の時代の出来事である可能性が高く、光の生き物が集まる街道が闇に囚われては、命も巡らないでしょう。風の街道に呼び寄せられた生き物たちが、闇に一網打尽されたかと思うと、心が痛みます……
第三候補:孤島

光が孤島へ帰還しないために、命の循環も止まったとする説です。Skyの物語は孤島から始まっています。その孤島に命が還ってこなければ、命の循環が始まることもなかったはず……角のある光の生き物も、行く先に迷って孤島で足を止めていたようですから、最終クエストで見られる「渡りの道筋」もなく、どこへ行ってよいのかわからなかったかもしれません。
ようやく止まった悪循環
渡りの精霊たちが生きていた頃のSky王国は、華やかな峡谷時代の山頂から、闇の驚異が蔓延る捨てられた地の時代へ向かって、知らず知らずのうちに坂を下っていた時期と考えられます。とどのつまり、キャンドルの灯火も小さくなり、ダイヤの燈が多用された時代……

キャンドルの火が途絶えたら、Sky王国はどうなってしまうのか?最悪の事態を早くから予測できたのは、新しい命を次なる場所へ導く孤島の大精霊と、人々の記憶・歴史から未来を予見する書庫の大精霊の2人だけではないでしょうか。惨劇を回避すべく、2人も様々な手を打ったはずです。その裏で、命の循環が途絶えぬよう、ダイヤの文化に逆らうかのごとく、命の循環を見守る精霊たちもいたことでしょう。

皆の努力も虚しく、滅びの一途を辿ったSky王国。500年以上の時を経て実現した「命の循環の復活」に、多くの精霊たちが喜んだと信じます。